”Let the Sunshine In” Claire Denis

festivals_letthesunshinein__article-house-780x440.jpg

「レット・ザ・サンシャイン・イン Let the Sunshine In」 Claire Denis
デプレシャンにせよ、ドゥニにせよ、みずからのミッドライフ・クライシスを何の躊躇いもなく映画にぶちこんでゆく作品が続いている。本人が実感できるリアルがそこにあるからやっているのだろうが、作家ごとに主人公との距離感が違うのがおもしろい。
Denisのこの作品は、主人公である女性現代画家(Jビノシュ)が作家本人の反映なのだろうが、離婚した後の幾多の恋がことごとくうまく行かず、救いようもなく破綻してゆく。それを客観的とは言わずとも、ある距離を置き対象化しているのがドゥニの映画だった。小津や黒澤をリメイクするほど日本映画に傾倒しているドゥニ(今回も「昭和残侠伝」の健さんのポスターが画廊になぜか張られている。)が、そんな距離感を日本映画から学んだのだろうか。

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Scroll to top