成長への諦念? Giving up on growth.

民主党が308議席を獲得し、自民党は過半数を割るどころか、議席を180以上も減らした。
冷戦、高度経済成長時代を支えてきた55年体制が、東西雪解け、バブル崩壊後、新たなシステムを作る必要があったものの、内部からの自浄作用もできるはずなく、ついに瓦解したという見方が大勢で、それはそれで正しいと思う。自民党への溜まりに溜まった不満を爆発させる捌け口として今回の選挙があったわけで、民主党が選ばれたわけでもなく、自民党ではない野党であればなんでも良かったのではないか。アハマディネジャドへの嫌悪から、ムサヴィに票が一挙に流れたイラン大統領選挙の腹いせ投票(しかし、アハマディネジャドの辣腕により選挙結果は圧勝に仕立て上げられたと言われている)と同じであり、民主党各幹部がいっているように、マニフェストの公約が守られないと分かった瞬間、いつでも見捨てられる立場にあるのは確かだろう。
第2次世界大戦の国粋主義、高度経済成長と一つの色に染まりきってしまう日本人の国民性の危うさは、今も健在であり、郵政選挙の時の自民党大勝利、昨晩の自民党大惨敗と、簡単に大勢がどっと動いてしまう。「民主党は勝ちすぎ。一気に票が動いてしまう日本は気味が悪い。」と田原総一郎も昨晩ぼやいていた。
心配なのは、G7の先進国の中でGDPがここ10年間成長していないのが日本のみという事実。さらに一人当たりのGDPは減少している!今回の選挙戦でも「ムダをなくす」とはいいつつも、不況からの脱出と、経済全体の成長というビジョンで、GDP(=みんなでシェアするパイの大きさ)拡大を、主眼に置いて語る政党がなかったこと。McCain-Obamaのアメリカ大統領選では、まさしくそれが争点の柱となったのに。全体成長への無意識の諦念が、茫洋に日本を覆っているように思えてならない。

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

2 Comments

  1. Al Simpson
    2009年8月31日

    Hi, my name is Al and I met Ayako Negishi on the weekend who told me about your film. It looks very interesting and I’d like to see it some time.
    Tell Ayako I say hi!
    Al

    返信
    1. Atsushi Funahashi
      2009年8月31日

      Hi Ai,
      Thanks for your message. If you’re in Tokyo the film will be released in October so you can see it in a theater.
      Please check out http://www.deepinthevalley.net

      返信

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