「ダゲレオタイプの女」(黒沢清 2016)

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黒沢清監督初のフランス語作品「ダゲレオタイプの女」拝見。
初期写真技術の現像液の水銀と毒薬に身体を侵された人間たちが、半死半生の世界を漂い続ける。
フィルムの銀盤に身を委ねることは、死への彷徨なのか、永遠の生なのか。
人物たちが生きているのか、死んでいるのか、という基本的な問いだけで、胃が引きちぎれそうなサスペンスを演出してみせる黒沢さんの手腕に脱帽。
自分の理解できない言語のドラマを演出することによる、画面の乱れが皆無であることは、本当に信じ難い。
傑作!

Atsushi Funahashi 映画作家。「過去負う者」「ある職場」(東京国際映画祭2020)「ポルトの恋人たち 時の記憶」(主演柄本佑, ロンドンインディペンデント映画祭最優秀外国映画)「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(主演オダギリジョー)「echoes」を監督。著書に「まだ見ぬ映画言語に向けて」(吉田喜重との共著)A Tokyo-based filmmaker. Directed “COMPANY RETREAT”(Tokyo IFF), "LOVERS ON BORDERS"(Best Foreign Future LONDON INDEPENDENT FF 2018), "NUCLEAR NATION I&II", "Big River"(all premiered at Berlinale), "echoes". His book include “Undiscovered Film Language” (Co-written with Kiju Yoshida).

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