桜の季節と言えば、

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桜の季節と言えば、
3年前に茨城・日立で桜の映画を撮ろうとしていたら、大震災・原発事故が起き、映画が撮影中止となったことを真っ先に思い出す。
そして、急遽、双葉町のドキュメンタリーを撮ろうと思い立ち、旧騎西高校に通いだしたのがこの頃。
高校の側の満開の桜を撮りながら、大げさでなくこの先日本はどうなってしまうのだろうと、広がる放射能の恐怖に怯えていた。
その一年後、日立市から「やはり、震災で映画を中止にしたくはない、やりましょうよ」と話を頂き、幸運にも予算も集まり、「桜並木の満開の下に」がクランクインした。下町のプレス工場と桜並木、そして日立の海がメインのロケーションだった。
桜が開く直前のつぼみを撮り始め、ロケ終盤に満開になるという理想的な状況に恵まれ、桜の映画が完成した。震災前に書いた脚本は、その骨組みは変わらないが、震災後の日本が抱える心の空虚がいたるところに見え隠れするまったく別物の作品となった。
ちょうど911の直後にニューヨークで感じたように、映画、演劇、文学、芸術と言われるものは全て時代を揺るがす事件の影響を少なからず反映していた。
それが、自分にとり「桜並木〜」である。
公式HP:
http://www.office-kitano.co.jp/sakura/
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Atsushi Funahashi 映画作家。「過去負う者」「ある職場」(東京国際映画祭2020)「ポルトの恋人たち 時の記憶」(主演柄本佑, ロンドンインディペンデント映画祭最優秀外国映画)「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(主演オダギリジョー)「echoes」を監督。著書に「まだ見ぬ映画言語に向けて」(吉田喜重との共著)A Tokyo-based filmmaker. Directed “COMPANY RETREAT”(Tokyo IFF), "LOVERS ON BORDERS"(Best Foreign Future LONDON INDEPENDENT FF 2018), "NUCLEAR NATION I&II", "Big River"(all premiered at Berlinale), "echoes". His book include “Undiscovered Film Language” (Co-written with Kiju Yoshida).

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