9.11.2013

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今日で911より12年が経つ。
そして311より2年半が経った。
両方を経験した僕にとり、「はたして世界は良い方向に向かっているのか」
という質問は、とても暗い響きを持っている。
911は、社会に”敵意”が満ち、国が戦争に向かうというのはこういう事なのか、という恐怖を体感した。
311では、天変地異の前での人間の無力さと、当たり前に消費してきた”電気”=文明が他人の犠牲の上で成立していて、その犠牲に対する落とし前は誰もつけない無責任社会に自分は生きているということを痛感させられた。
ともに、自分よりも遥かに大きい国や社会/集団に対しての絶望感を前に、途方に暮れる体験だった。
そして、社会インフラを消費し、税金を納め、(一国では)選挙権もある自分にも責任があるということを思い知らされる出来事だった。
だからこそ、日々の雑務から一歩引いてみて、「世界は良い方向に向かっているのか」という素朴な問いを、自分自身や隣にいる友人に投げかけてみるのは、大切なことじゃないだろうか。
このごろ、よくそう思います。

Atsushi Funahashi 映画作家。「過去負う者」「ある職場」(東京国際映画祭2020)「ポルトの恋人たち 時の記憶」(主演柄本佑, ロンドンインディペンデント映画祭最優秀外国映画)「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(主演オダギリジョー)「echoes」を監督。著書に「まだ見ぬ映画言語に向けて」(吉田喜重との共著)A Tokyo-based filmmaker. Directed “COMPANY RETREAT”(Tokyo IFF), "LOVERS ON BORDERS"(Best Foreign Future LONDON INDEPENDENT FF 2018), "NUCLEAR NATION I&II", "Big River"(all premiered at Berlinale), "echoes". His book include “Undiscovered Film Language” (Co-written with Kiju Yoshida).

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