Nuclear Nation (仮題)進行中

3月末から福島第一原発事故による避難民の方々を追っている。
震災からの復興が日常化しつつある今、まだ出口が見え無いどころか状況が悪化しているのが、彼らの避難生活だ。セシウム汚染牛追跡や紛争審・東電の切った張ったに目先がいってるメディアは、未だ311以来の避難生活が何も変わらず続いている、その時間の重苦しさを描くことを避けている。
5月下旬から始まった一時帰宅は、8月いっぱいでようやく一巡する予定で、人々は警戒区域の中にある我が家へ2時間ばかりの立ち寄りが許されている。度重なる余震で家が傾き雨漏りから居間に雑草が生えていたり、野生化した猫・犬に荒らされていた家も少なくない。彼らは口々に「もう戻れないだろう」と失望を語っている。
まだ出口が見えない避難生活に僕らはずっと張り付いている。
今年いっぱいかけてドキュメンタリーとしてまとめようと思う。

Atsushi Funahashi 東京、谷中に住む映画作家。「道頓堀よ、泣かせてくれ! Documentary of NMB48(公開中)」「桜並木の満開の下に」「フタバから遠く離れて」「谷中暮色」「ビッグ・リバー 」(2006、主演オダギリジョー)「echoes」(2001)を監督。2007年9月に10年住んだニューヨークから、日本へ帰国。本人も解らずのまま、谷根千と呼ばれる下町に惚れ込み、住むようになった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Scroll to top